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11月28日(日)の「第六回氷川短歌賞選評会」で当日選評対象に挙がった投稿作品です!
【テーマ詠】パン

【14時の回】

一、焼きたての湯気を逃がしてバゲットの包みしずかに湿りゆく帰路       西藤智
二、休日の一家団らん朝食で食パン2枚幸せ挟む                  平 浩然
三、黒パンに遠きロシアを想う師はシベリアのこと何も語らず              加藤雄三
四、ミサのごと葡萄酒とパン愉しむ吾(あ)神を求めず愛されずとも        海神瑠珂
五、背伸びしてオーブンのぞくおさな児よパンと競って笑顔ふつくら       ふーみん
六、仏蘭西のパン食み黒パン俘虜記読むトウキョウダモイの声聴きながら       三井瑛子
七、今はなき骨董店で購ひし冷たき銀のパン屑払ひ                   コイケタツオ
八、この嘘は二十七層かさなってクロワッサンと真(まこと)ができる        佐藤優羽
九、飾りなく固く素朴なパンめばえいいね!いいね!の拍手拡がり        きよし
十、ムーゼの森の木洩れ陽に君と絵本とほうれん草のサンドイッチ          細田泰司
十一、パン生地はイースト菌にふくらんで春、花の実の母になる日を         月館桜夜子
十二、さあできた三日月ふたつ英字皿芳一の耳と告げ喰う君           紫藤
十三、ふくらんで色づくパンを見る朝のそれが冬でも春だと思う         小俵鱚太
十四、一枚で焼いた食パンいつもとは違った朝の食感が鳴る           野崎芳史
十五、披露宴左に置かれたパンたちをメインがくるまで眺めて愛でる       森本早紀
十六、このまちもポンペイになるかもしれず丁寧に焼く明日のためのパン     渡邉知博
十七、パン屑を遺灰と散らす昼休み水平線を遠景として                 岡野伸吾
十八、朝焼けに香るパン屋の換気扇ほのかに香るあの日の思い出          SUN
十九、かぶりつく子ちぎって食べる子ニコニコと今日は人気のきな粉揚げパン   橘惠子
二十、発酵を終えたパン種やわらかく父親なんてなれやしないよ         toron*
二十一、ほかほかを君に届けよコロッケぱん冷めないように明日の朝まで     北原さとこ
二十二、コッペパンに出会わなかった焼きそばを電子レンジで温めている     若枝あらう
二十三、不登校の君に届けたコッペパン明日は来てねと言えないままで      タンポポ 
二十四、パンを焼くエネルギー量に驚くも月に一二度小麦粉こねる        豆風
二十五、焼きあがる香りのみちて朝陽さすバターナイフの銀の細くに            玖嶋さくら
二十六、ああだれか恨んで死んでみたい春いちばん尖るバゲッドを買う       草薙
二十七、食パンに何をはさむか考えているとき思い出すから恋だ          中嶋港人
二十八、三十、職人が丹精込めて捏ねた生地焼き上げられて美味しいパンに     稲葉高飛郎
二十九、水鳥の上前はねたパンの耳むしゃむしゃ食べて子らは満腹         藤井かほる
三十、背に光るパンくくり付け喉仏こくりコクリコ母のわたくし          中城俊昭
三十一、初恋の君好みしは昨日までパンとは知らず七十になる               北条暦
三十二、焼き立てのパンは茸の仲間とて老いたる街の根に榮う也            岡崎佐紅
三十三、ふくらしこいれてこねたらじょうくんのほっぺみたいにまあるくなるよ     大澤朋子

【16時30分の回】

一、朝未だきの曇空に月の代役は焼きたてのクロワッサン            遠藤玲奈
二、パンの耳コンソメスープに溶け出すも英単語飲む模試の日の朝            さち
三、モチモチの並んで香るライ麦がゆめかうつつか確かめたい          ねむっこ五臓
四、私かもふるいにかけて漉し器へとパンにならずに残る粉とは         佐復桂
五、目覚めたら君はいなくてトーストを焦がしてしまう土曜日の朝          きさらぎなる
六、パンと米どちらも好きよ孫たちは食育ありて体力づくり             田村照代
七、頭外しアンパンマンが差し出したアンパンマンパンあなたは齧る       佐藤和裕
八、食べるとき必ず母はつぶしてたアンパンマンなら力が出ないね          三木裕
九、階下から香りくるパンの声さあ起きろと言うが如くに            廃人
十、胡桃パンしっかりと噛むこの春は愛想笑いをやめると決めて          尾渡はち
十一、雨降りの下校みたいにトーストの華奢なところに塗りたくるジャム      松下誠一
十二、香水のにおいが残る食卓に二枚の焦げた食パン並ぶ                     尾崎飛鳥
十三、そのパンは私が焼いたものだった誰も食べぬと知っていたのに                痛悔
十四、愛猫はすました顔で眠ってるパンの隅っこちっちゃな歯型              なかむらむなみ
十五、魔法じゃないし、じゃなくていいし。食パンをピザに変えれる、笑えるぼくら      木下侑介
十六、コッペパンみんなの笑顔目に浮かぶ学校給食楽しい時間              まっちゃん
十七、翌朝のトーストひたすらたのしみに夢でくゆらすさくらんぼジャ        岩館澄江
十八、毎日が一段高くなるようにひたすらクロックムッシュ作らむ        奥山いずみ
十九、言葉からこぼれてしまふ言の葉はクロワッサンのかけらのやうに      岡本恵
二十、売り切れでもパンのみにて生きよ!! 台風の夜に強力粉捏ねる        浮沈子
二十一、駆けつけた君、あの店の米粉パンたましいに効くふわふわだった     鳥原さみ
二十二、ありふれてしまえば見えない幸福にたまご蒸しパンふくふくとして    仲原佳
二十三、夕焼けを最後にひとり迎え入れパン屋はそっと扉を閉める        小川拓馬
二十四、パンくずを集めるために翔びたてり泪で浄められたつばさで       内田拓海

※記事の都合上スペース等の形式は統一しています。

次のご報告では受賞作品を発表します!