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7月4日(土)の「第5回氷川短歌賞選評会」への投稿作品です!
【題詠】遊園地

【14時の回】

一、三分の二人の時間でキスをした天空の箱昔語りに    小川満男

二、遊園地の池に痩せたる鯉をすら喰はなと釣れり寂しからずや   東予稲村

三、てっぺんにつく五秒前夜景見るふりしてキスを待つ観覧車    小野みふ

四、君とぼく巡る世間に輪を描こう夢のカップに融け落ちるまで   岡崎見風 

五、この屋敷かつては児童遊園地しばし佇み松籟を聴く      遊泉

六、もし乗れるものなら乗ってみたいとはやはり思わぬ絶叫マシン   北川孝規

七、偽物の私と額をぶつけあいミラーハウスに閉じ込められる     中馬真弥

八、深すぎる遊園地の空は青濃くて確りと手をキミと風船       坂西涼太

九、眼裏の廃遊園地でかたかたとメリーゴーラウンドがやまない  橋本牧人

十、晴れた日に親子楽しむ遊園地絆ばっちり明日と信じて     さとうくにお

十一、観覧車に乗り見上げるペデルギウス明日には消えるものだとしても  

    こばやしひろみ

十二、恐竜が一匹くらいいたとして哀しいくらい物足りぬ夢    

    アナコンダにひき    

十三、いつまでも少女のままのジョディ・フォスター移動遊園地はどこまで行くの? 

    コイケタツオ     

十四、八咫烏雪掻き達磨滑空し戒壇登りさかきにゆくえ     北谷匠 

十五、風やめばまた水すましクルクルとだーれもいない「夏の遊園地」  角田小一郎

十六、隣りあうぼくらを散らす運命の回転木馬の耳の冷たさ   月館桜夜子

十七、子等乗せて回転木馬は渦(うず)を巻き大きな空に歓声混ぜ混む  

    浮(ふ)沈子(ちんし)

十八、春入日人汲み上ぐる観覧車コロナ騒ぎに休園つづく    原ひろし

十九、怖いのと欲しいのは似て掻き回すコーヒーカップ君が欲しいよ   川合望月

二十、アフリカへ行けないままに死ぬだろう閉園となるらしとしまえん  

    睦月くらげ

二十一、ゆらゆらとくらげのライドにゆれながらほころびてゆく夢の境目   仲原佳

二十二、メリーゴーランドは降りるときが好き届かなかった手が届くから   

     若枝あらう

二十三、妹をぶったら驚くほど飛んだ木馬はみんな笑わなかった       草薙

【15時の回】


一、豆じみた友に向かって檻落ちる垂直落下秋空刺す声      世木八子

二、遊園地跡にマンションの建ち並び遊びし子らの住居となりぬ   堀ノ内和夫

三、ひとり乗る観覧車の部屋すべりこむ夜風も星もイルミネーションも  くろいぬ

四、観覧車街の目回す一仕事今日も寝顔がまだまだ若い      永恋

五、売店に並ぶ虹色キャンディーと君にだけなら裏切られたい   みそのあや

六、私より綺麗な人と幸せな君がキスしたあの遊園地      鈴木鈴子

七、喜々とした声の弾ける遊園地真澄の空に淡き月影    唐(から)芋(いも)

八、閉園を告げるメロディみちみちて迷路の箱で真空になる     楓すず

九、たのしみは友と就活乗りきってお化け屋敷で叫んでいるとき   高田津優

十、遊園地春に夕べに静まりて明日の期待にやや熱発す      樋口淳一郎

十一、詞(し)魂(こん)とは詞(ことば)遊びの遊園地ウイルス禍にも休園できず  

    成(なり)章(あきら)

十二、可愛らし観覧木馬母添ふ子昔誘ふ愛しさの里        多谷昇太

十三、さようなら回転木馬LEDの光はきみに似合わないから   松田弘子

十四、君の前震える手足ひた隠し両手冷や汗安全バー後      はらさ

十五、休日のシーンとしてる遊園地雲より上の世界の静けさ    えいえい

十六、最後まで券を残してずっと待ついいなと言われかっこをつける   拓郎

十七、空中でさかさになってうれしそう遊園地って海に似てるね    高山由樹子

十八、観覧車 キス 法案」で調べれば強制可決に踏み切った与党   小俵鱚太

十九、弧を描く君を追いかけるポップコーンあふれないよう唇を噛んだ   里十井円

二十、デートなら遊園地だと言う君が笑えば春のようだと思う      中嶋港人

二十一、観覧車一回りするその時に君に届くか心の振り子        春風ふわり

二十二、二時-四時の位置なら空が見るだけで顔近づけている観覧車     榎本ユミ

二十三、手振る君まで透けている観覧車忽ち真っ赤スカート履きし    もうもう

二十四、とりかえしのつかない過ちと回る夕暮れどきの回転木馬     田中律子

 ※記事の都合上スペース等の形式は統一しています。

次のご報告では受賞作品を発表します!