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10月27日(日)に行いました「第四回氷川短歌賞選評会」の受賞作品を発表します。
大賞と選者賞の作品には、先生方からコメントをいただきました!
最後には先生方が皆さんと同じテーマで詠んだ短歌もあります。ご覧ください。

       

大賞

ピコピコピロロ歩み(あんよ)がじょうず結那(ゆな)ちゃんは
おっとあぶないそっちはアリスさん
齊藤正秀(せいしゅう)        

【奥村先生からのコメント】

 初句七音のオノマトペ「ピコピコピロロ」が効いている。続く「歩み(あんよ)がじょうず結那(ゆな)ちゃんは」は七音五音と形が守られている。上の句で幼い結那ちゃんのあんよを褒めながら、下の句では、そっちに行くと危ないよと忠告の声をかけている。アリスが兎を追って行って穴に転げ落ちたように、転んでしまいますよ、と声掛けをした。

【東先生からのコメント】

 幼児の穿く音が出る靴の独特の音をオノマトペとして表現した初句に、まずひきつけられました。二句目から四句目までは幼児の歩みを励ます典型的な言い回しですが、結句にきて『不思議の国のアリス』に結びついたことに、とてもびっくりしました。穴に落ちて不思議の国をサバイバルすることになったアリスと、今目の前にいるやんちゃな子どもの冒険心を結びつけるなんて、ウィットが利いていて、とても楽しく、迫力のある一首だと思いました。     

        

選者賞 奥村晃作賞

歩(あゆむ)から歩(あゆみ)へ名変え女装して
市長選挙を馬でパレード 
東村山

【奥村先生からのコメント】

 歩(あゆむ)は男性。歩(あゆみ)は女性。漢字は同じ。読みを変えることで、性転換。だから女装して、馬にまたがりパレードしているこの主人公は市長選に立候補してその運動を展開したのであった。あとで作者にお聞きすると実際にあった事をそのままに歌にしたのだと。自分はメルヘン仕立ての歌かと思ったが。      

選者賞 東直子賞

アーケード歩く父子(おやこ)が立ち止まる
「こ、ば、た!」と響く凛とした街    
織部壮

【東先生からのコメント】

 この子ども、自分が読める字だったので、うれしくて声に出したのですね! 「たばこ」という看板を左から読んだのでしょう。人の名前みたいになっておもしろいですね。昭和時代の名残のようなアーケード、このごろはシャッター街と化してしまったところも多いですが、こんなふうに元気な子どもの声が響くのは、よいものですね。「凛と」という語にそんな気持ちがあらわれていますね。「父子」であるところもよかったです。       

          

氷川賞(来場者による投票)

夕立の過ぎし歩道に風立ちて重重揺れる百日紅の花     久保親二

※当日、奥村先生がメインで解説されたことを簡単ですがまとめさせていただきました。

よくできたオーソドックスな歌。たっぷりと水を含んだ百日紅が揺れる盛夏の風景が思い描ける、
さわやかで美しい歌だ。

最後は希望された参加者の方と一緒に記念撮影をしました。
受賞された皆様、おめでとうございます! 最前列椅子(左)奥村先生 (右)東先生

先生方の短歌

米人のアームストロングとオルドリン
月面歩行し地球に戻りき        奥村晃作

透明なものがひとりでゆくような
水紋をみる嬉しさをみる        東直子

ご参加いただき本当にありがとうございました!
今回初めて短歌を詠まれた方もいらっしゃると思います。
この機会に是非、短歌に親しんでいただけると嬉しいです。