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11月11日(日)の「第三回氷川短歌賞選評会」への投稿作品です!

【テーマ詠】椅子

一、  椅子は友達だよ笑顔の未来に                  いしいはるか

二、  揺れる空背を押す母の笑い声お砂場鉄棒 もうかえらない     あつ子

三、  送信しガラスの椅子に座るように君の返事を待つ雨の駅      月館桜夜子

四、  風爽か亡き飼い主の揺り椅子でおもひで手繰る老猫の髭      小野みふ

五、  初恋はここに残して帰ります駅の椅子に書く待ってたと書く    ゴン

六、  腰掛ける主なき椅子を見守りつ柱時計は時を刻めり        坂の上の雲

七、  静かなる待合室の長椅子にいのち見つめる人々の群れ       タンポポ

八、  晴天に置き去りし椅子幼な児の紅白駆ける帽子を数え       きよ

九、  目も廻る三半規管の訓練の宇宙飛行士椅子に座りぬ        北条 暦

十、  不揃いの椅子をならべて絵の中の道化師たちと食前の祈り     田島千代

十一、 夕影にロッキングチェア揺れていた今は遥けし父の居場所は    中濱裕子

十二、 今はただのぼる遊具かベビーチェア成長うれし小言いいつつ    あきのはは

十三、 血の深き時間をそっとエスケープ白き椅子には陽に焼けた跡    りり

十四、 わが椅子の万歳したる妻に似るその膝に乗せ夢を見せよや     山川森三

十五、 テーブルのダリアの咲う傍らに椅子ひとつ小雨の窓を向く     睦月くらげ

十六、 悪足掻き二本足では間に合わず四本あっていいなお前は      春田降下

十七、 差し向かう休む佇む組み立てる見る聞く笑う食べる愛する     齋藤信吉

十八、 もうそこに座らぬ人を思うとき北方林にふる雨の音         高山由樹子

十九、 諦めたはずの裸眼で見た椅子の脚きっかりときっかりと立つ     椛沢知世

二十、 こしかけて考える人のポーズとる別段何も考えないけど      信夫翁(あほうどり)      

二十一、座ってはいけない椅子があることに気がついたのは部屋を出たとき 織部壮 

二十二、廃校のちいさき椅子に腰かけて遠くに過ぎし物語りへと      柏宗春

二十三、空を飛ぶ二つの椅子の絵の前に羨み顔のミュージアムの椅子たち  立木ひかる          

二十四、トーネット・マッキントッシュ・ヴァーグナー・イームズ・ライト・名作の椅子 

コイケ・タツオ

二十五、平家琵琶聞き終へたりしパイプ椅子高く積み上げ片づけ申す    櫛引和江

二十六、幼き日椅子に座りてひげを剃る父の姿をふしぎ見つめる      大塚トモ子

二十七、アイツだけアイス頂甲子園外れ棒でも支えるベンチ        代々木英次郎

二十八、君休み御名崇められ世の中は玉座安らか唯ありがたく       明智光重

二十九、学校で椅子に縛られ貼り付いて死ぬまで続く椅子取りゲーム    公(ハム)☆(スター)

三十、 あのひとの席が椅子へと還る時私の声も音に戻りぬ        浮(ふ)沈子(ちんし)

三十一、丈高い椅子に座って紅茶飲む窓の外には知らない人ら       須田伸子

三十二、朝早くベンチで憩う老夫婦樗(あふち)は優し香り漂う        仲宿習作

三十三、もう水は流れぬ肘掛椅子(アームチェアー)にて謎を解くよう齢かさねる   秋山有一

三十四、彼先と慰する思いが見合うては居竦む様の交喙の嘴        廣瀬

三十五、祖母の椅子明治生まれの舶来だ代が替わりて子猫三匹       氷川丸

三十六、背凭れの大きな椅子につつまれてとりとめのない昼に見る夢    小松寿美子

三十七、君を待つ雨の放課後椅子の背に相合傘彫る思春期の我       たわらもち

三十八、四年後の自分の椅子はここにない社窓(しゃそう)には鰯雲高く   ぽんた

三十九、 愛犬の定位置だった隅の椅子寂しさ埋める洗濯の山        新人しらす

四十、座りたい駅着く電車ドアが開き無言の競争まるでバーゲン     3年目BB

四十一、赤ヘルの3年間の激闘を我と共にす年間シート          安打製造機

皆さんはどの短歌が好きですか?

次のご報告では受賞作品を発表します!